露出狂に遭遇!迷わず110番を。
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暖かくなると、変な人、というか不審者が増えますよね。
4~5年前、独身でも、うら若き乙女でもなかった私でも、露出狂に遭遇しました。
その日は4月の金曜日。晴れ。時刻は16時から16時半頃。
少し日は傾いた感じはするものの夕方になりかけたくらい、西日で眩しいくらいの明るさ。
私は、最寄り駅から自宅までかなり急ぎ足で帰っていました。
子どもを保育園に迎えに行かなければいけない。でも一緒に帰ってくると家事がはかどらないので、一旦帰って、できる範囲で家事をして、その後迎えに行って・・・と頭の中でシミュレーション。はぁ、あんまり時間がないから急がなくちゃ。
自宅マンションが見えてきた。
ワンフロアに4~5部屋ある4階建て。
エレベーターはなく、オートロックもない。
地方都市によくある、階段も廊下も外から丸見えのタイプ。
でも、周りは人通りも多く死角もないので、逆に不安は感じない。
マンションの敷地内(といっても開いているガラス製の扉を通るだけ)に入る前に一瞬、目の端で、異質な人の姿を捉えた。
ストールを首に巻いてトレンチコートを着て、15分程度急ぎ足で歩いてきた私は少し汗ばむくらい。
一方その人は、30代くらいの男性、黒の腰くらいまでの丈の分厚いダウンコートを着ていました。
そもそも夕方早い時間帯の住宅街、壮年の男性の姿、しかもスーツではない人はほぼ見かけるものではなく、
「ん?しかもあんなダウン、暑くない?」と違和感を覚えました。
ともかく、階段下にあるポストを確認して階段へ。
7、8段上った踊り場で折り返しまた5、6段上って2階にさしかかる直前。
「すみません・・・」と声を掛けられました。
振り返ると踊り場にさっきの男性がいます。
何と話しかけられたのかは覚えていません。しいて言えば、「興奮しちゃって・・・」みたいなことは言っていたかもしれません。
その間も、股間付近にある左手は、5センチくらいの間隔で縦に小刻みに動いています。
「これ、ヤバいやつだ・・・」と思ったか思わなかったか、
反射的に「やめてください!!」と言いそのままマンションの階段を上へ。
我が家は3階でしたが、階数がバレたくなかったので最上階の4階へダッシュ。
そこで少し息を落ち着けて、向こうの動きを確認します。
神経を集中して、小さな動きも察するように。
追ってこない。
5分ほど経ったでしょうか、足音を殺して先ほどの現場近く、2階付近まで戻ります。
何もない、何もいない。
ひとまずほっとして、周りから見えないように腰をかがめて、
階段を上り廊下を歩き、後ろを振り返る。誰も付いてきていない。
自宅のカギを出し急いで回し、急いで自宅に入りカギを閉めチェーンをかける。
心の底からほっ。
色々やらなきゃいけない家事もあったのに精神状態はそれどころではなく、興奮状態でもあり茫然ともしながら30分くらい過ごし、子どもを迎えにいくためにまた外へ。
歩いていくつもりでしたが、恐怖が勝り、結局車で迎えに行くことにしました。
まず、思ったこと。子どもを連れていなくてよかったと思いました。
子ども連れなら、そもそも声を掛けられなかったかもしれないけれど。
でも、子どもがいたら即動ける自信がありません。それに、子どもに怖い思いをさせなくてよかった。
この時、今思うと不思議なのですが、警察に電話しなくちゃとは思いませんでした。
一瞬110番?とよぎったけれど、「いやいや、この程度で?実被害はないし・・・」と打ち消していました。
それは、かつての記憶があったからかもしれません。
昔、実家暮らしだった時。大学生だった姉が夜20時頃、自転車で帰宅する途中、家の近所で痴漢にあった時のことです。
当時父は単身赴任中、私は高校生。
当然母が対応するしかありません。
詳細は何があったのかは今でも分かりませんが、被害は大きくはなく、恐らく身体を触られたか、露出狂だったか。
母は姉をなぜか怒り(意味不明ですが、よく怒る人なのです)姉は泣き、家は数時間異常な状態に。
翌日昼、母が警察に電話をしたようです。
事情を話すと、警察官は一言。
「奥さん、親告罪なんですけど~、それしゃべれます?」
「いや、私じゃなくて大学生の娘なんですけど・・・」
結局、まともには取り合ってもらえなかったようです。
これは20年くらい前のお話。
そして夜。夫が帰ってきた時に今日起きたことを話しました。
夫は、「警察に電話しよう。110番」
私「いやいや、ちょっと待って。110番ってそんなことでかけていいものなの?もっと切羽詰まった状態でかけるものなんじゃないの?最寄りの警察署とかの方がよくない?」
夫「いいんだよ、こういう時にだって掛けて」
夫は何の躊躇もなく110番し、私から聞いた話を説明します。
ところどころ、「こうだったんだよね?」と私に確認しながら。
途中、警察が電話を代わってほしいと言うことで、その男の年齢や服装、特徴について私も聞かれました。でも、冷静だった時に違和感を感じた瞬間を切り取ったイメージしか記憶にないんですよね。
全身黒だったことは覚えている、左手は動かしていたけれど下半身は見えなかった。
ニットの帽子をかぶっていたような気もするけれど、違う気もする。
マスクをしていた気もするけれど、違う気もする。
人間の記憶力のなんとあてにならないことか。
その後、警察に事情聴取に伺ってもいいですか?と聞かれましたが、子どもをお風呂に入れなければいけないし、翌日の予定もあったので遠慮させていただきました。
今考えると、次の被害を出さないためにも、事情聴取を受けておいた方がよかったですよね。今なら落ち着いて考えられるんですけど、その場では何にも考えられませんでした。
その後、夫の電話には数回警察から電話がかかってきていましたが、近所のパトロールを増やすということでした。
警察官の方は、親身に話を聞いてくださって、20年前のような不信感はこの時一切感じませんでした。
子どもも大きくなってきて、私の防災意識も高くなってきました。
警察からの情報メールにも登録し、かなりの頻度で「子供や女性に対する不審者情報」が送られてきます。
そのメールにも、「不審者を見かけた際は、すぐに110番通報してください」と書かれてあります。
今後親から離れて、子どもが一人で行動することも増えてくることでしょう。
子どもの身の安全を守るためには、子どもへの教育や働きかけとともに、
地域の「安全を守る目」が重要なことを日々実感しています。
自分のことだけでなく、次の被害を出さないためにも、迷わずに110番することは大切ですね。