帝王切開って何をするの?
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高齢出産が増えている昨今。
それに伴い、帝王切開も増えていると聞きます。
ある調査によると。妊婦さんの約20%が帝王切開での出産だそうです。
でも、帝王切開って何をするのか、知らなくないですか?
産院で出産予定の妊婦さんに対して行われるママクラスのようなものでも、
出産準備の本などでも、自然分娩の進み方は教わっても帝王切開のやり方って教わらないんですよね。
そもそも、ほぼ言及されないこともあるくらい。
20%も確率があるのだから、説明があってしかるべきじゃありませんか?
そういうところが、「帝王切開は立派なお産じゃない」とかいう幻想を助長させていませんか?
私の1人目の出産。当然自然分娩で産めると思っていました。
でも、まもなく妊娠41週の時。陣痛促進剤を服用しても陣痛が来なかったので、ちょうど41週で予定帝王切開で出産しました。
まさか帝王切開になるとは思っていなかったので、予備知識は全然なく、出産後のホルモンバランスと相まって、精神的に不安定に。
帝王切開して初めて、次回以降の出産もほぼ帝王切開になること、縦切り横切りがあること(お腹を縦に切るか、横に切るか)、予定帝王切開だったのに全身麻酔なのは普通ではないこと等を知りました。
医者からは、手術前日にリスクの説明はありましたが、上に書いたような具体的な説明はなく、出産後のボロボロの身体で帝王切開について調べて、理論武装をして、退院健診で医者に疑問をぶつけるということになりました。
そして言われた一言。
「あと10歳若かったら、自然分娩できるように、もっと待ったと思うよ」
・・・いけない。感情的になってきました。
私の第1子出産体験談はまたどこかの記事で書きたいと思います。
そして2人目の出産。
子宮破裂のリスクがあるので、陣痛が来る前の38週半ばで予定帝王切開になりました。
第1子を出産した産院には上に記載したような経緯があり、さらに諸々不信感が募っていたので、妊娠中から別の産院で妊婦検診を受け、そこでの出産になりました。
前回とは違い、もう100%帝王切開なのだからと色々と調べたけれど、結局帝王切開って何が行われるのかが分からない。
前回とは違い、局所麻酔なので、赤ちゃんが出てくるときは意識はあるとのこと。
それはとりあえず良かったのですが。
手術で、自分の身に何が起こるのか、どういったことをされるのか、知りたくないですか?
そう思って主治医に妊婦検診の時に聞いてみると、「安心してください、大丈夫ですよ」
違う、そうじゃない。大丈夫だと思いたいがために、何をされるのかを知りたいのだよ。
ちょうどそのころ、無痛分娩で出産した妊婦さんに麻酔での事故が起きて裁判になっている、というような報道が複数されていて、帝王切開も麻酔だよなーと不安になった私。
主治医からも、安心できるような情報提供はなさそう。
そこで、友人の麻酔科医に手術の方法について、聞いてみることにしました。
ただの友達なのに、無償で仕事に関する知識を聞いてもよいものなのか?と思い悩んだものの、手術前にどうしても不安を払拭しておきたかったのです。
友人は喜んで教えてくれました。
その時報道されていた無痛分娩での事故は、おそらく産婦人科医がやった硬膜外麻酔によるもの。
硬膜外麻酔は麻酔科医以外がやると比較的難しいけれど、私がする予定の腰椎麻酔は麻酔科医以外でも難易度は高くないこと。
でも、麻酔は麻酔なので、母体にも赤ちゃんにもリスクはあること。
そして、私が1番知りたかった具体的に何をするのかも教えてくれました。
手術の手順を教えてもらったおかげで、私は「あ、今きっとこれをしているんだな」「もうすぐこうなるんだな」といった視点で手術を感じることができました。
たぶん、これから帝王切開される方が一番知りたいのもここだと思うので、教えてもらったこと+私が体験したことを、あくまでも参考としてですが、書いておきます。
※以下の内容は、あくまで個人の体験談です。
※予定帝王切開での例です。緊急帝王切開の場合は参考にならないと思います。
※それぞれの妊婦さんの状況が違うと思いますので、手術内容が一致するかどうかは保証できません。
※手術内容の詳細、妊婦さんそれぞれの状況については、主治医に確認することをお勧めします。
1.手術室入室前に点滴ルートを確保する(個人病院の場合。総合病院だと違うらしい)
2.手術室入室
3.血圧など測定
4.横向きになり腰椎麻酔(この時、麻酔しやすいように背中を出来るだけ丸くすると注射しやすい)
5.仰向けになる
6.足の先から徐々にしびれてくる感覚がある。どこまで麻酔が効いているか、足を触られて逐一確認される
7.(たぶんこの時に)尿を出す管を入れる(個人的にはいつ入れたか覚えていません)
8.これくらいから吐き気が出る人もいる(妊婦は仰向けになると血圧低下により吐き気が出やすい。また、麻酔も血圧が下がって吐き気が出る。私は吐き気は感じなかった)
9.消毒して巨大な布を身体にかける
10.手術が始まる
11.皮膚を切る、お腹の膜も切る、ぺらぺらの子宮も切る
12.羊水が噴出する(見ていないので分かりませんが、そうなるようです)
13.赤ちゃんを出すために、みぞおちを押しまくる(私は、手術の布で見えませんでしたが、感覚としてなんか押されてるな~くらいでした)
14.子宮の中に手を突っ込んで赤ちゃんを出す(子宮に手を突っ込まれると相当不快だそうですが、私はあまり感じませんでした)
15.赤ちゃん誕生、へその緒を切る(ここで、意識は赤ちゃんへ。ちゃんと泣いてるか、意識はそこへ集中するので、他のことは気にしていられない)
16.胎盤を出す(子宮に手を入れているので、多少不快だそうです)
17.すぐに子宮マッサージと子宮収縮薬の投与(かなり不快だそうです。私は、臓器を触られている「ワサワサ」感を感じました)
18.子宮を縫う(ここも不快のようです。私はその前の「ワサワサ」感との違いを感じず)
19.どこかのタイミングで、きれいにしてもらった赤ちゃんが枕元に連れてきてもらえる。意識はそちらへ。「可愛い、小さい」との言葉しか出ず。赤ちゃんの体温を感じる。涙が自然に溢れて、看護師さんが拭いてくれた。
20.赤ちゃんとの対面のあと、麻酔薬が強くなり?寝かせられる
21.途中1回目が覚めて、手術中に先生と看護師さんたちがダイエットの世間話をしているのを聞いてしまったら、少し麻酔薬が強くなり?再び寝かせられた
22.お腹の膜を縫う
23.皮膚を縫う
24.手術終了
手術後はほぼ1日、ぼーっとしていました。
眠りながら、ところどころで起きる感じ。
麻酔が切れるのに、たぶん1日はかかるのでしょうね。
麻酔がだんだん切れてくると、傷と後陣痛が痛くなってくるので、我慢せずに痛み止めをもらいましょう。
翌日、尿を出す管を抜いて、トイレに行けるようになったら、そこから「回復するためには歩け歩け」とせかされます。
そこは産院の方針にもよりますが、ともかく、腹筋?も切っているので、いつもの10分の1のスピードで起き上がるだけで激痛が走る身体を点滴スタンドで支えながらの歩行練習が始まります。
それはもう、次の戦い、新生児育児に向かっての準備なのです・・・。
こうやって書いてきましたが、私、2回も出産頑張ったなぁ(遠い目)。
もう一度やれと言われたら嫌ですけど、傷よりも痛みよりもその後の新生児育児の方が大変すぎて、自分の身体のことは二の次、大変なことがアップデートされていく感覚です(それでも、産後3ヵ月までが一番大変なのでとりあえずそこまで頑張って!)。
これから帝王切開を迎える方、参考になれば嬉しいです。