ニッセイのCM

見ていると、切なくなるCMがあります。

１２月になってから、他のシリーズに切り替わって見ることが少なくなりましたが、

ホームページを見ると、2019年7月から２年以上にわたって放映されていたので、

目にしたことがある方も多いと思います。

それは、日本生命のCM。

その名も、「笑顔が大好き」篇と名付けられています。。。

小学校低学年と思われる男の子が、授業参観で作文を読んでいる音声が流れます。

「ぼくのお母さんはいつも笑っています。お母さんは毎日とても楽しそうです」

から始まるメッセージ。

でも、実は、そのお母さんは子どもの前では無理して笑っていて。

仕事もうまくいっていない。

体調も良くなく、入院することに。

入院中、男の子が「頑張れ！」と言ってくれて。

（生命保険のCMですからね）

それで、退院後、授業参観を見に行ったお母さんに、

「お母さんの笑顔は宇宙一だと思います」

と作文を読み終わり、お母さんは笑顔と涙でぐしゃぐしゃ。

「私には、前を向く理由がある」とのメッセージでCMが終わります。

（30秒、60秒、90秒バージョンがあるので、それぞれ若干の違いはあり）

誰も悪くないんです。

時として、色々悪いことが重なる時期もあるでしょう。

お父さんがCMに出てこないところを見ると、

シングルマザーで頑張っているんでしょう。

本当にギリギリのところ。でも、子どもの笑顔で頑張れる。

この文章を書く段階で、もう一度ちゃんとCMを見直して、涙してしまいました。

女優さんの演技力と、子役の子の無垢な声が涙を誘う。

いや、お母さん、こんなあどけない子を残して死ねない。

「前を向く理由」というか、もはや「必死に前しか向けない理由」があるよね。。。

なんだけど・・・

母親って、そんなに頑張らなければならないのかな？

そんなに頑張って、無理してニコニコして、

そんな姿を見せなければ、CMにも美談にならないのかな？

そもそも、父親が無理して笑っているCMなんて、あんまり見たことないぞ。

なんだか、こういうところにも、

母性への妄想、母性への偏見がありそうな匂いがぷんぷんします。

だってCMでは、父親が一生懸命仕事、育児、家事に頑張っているような光景は

見たことはあるけれど、父親の内面に迫っている光景はあまり見たことないんです。

誰が悪いわけでもないのですが。

なんだか切なくなるCMだと思いませんか？

と、ここまでを書いていたら、２、３日前にYahoo！ニュースで、

「ママの笑顔、そんなに大切ですか？」という記事を見ました。

記事の内容は、そこまで「ママの笑顔」に対して書いている訳ではなく、

育児でなんでも母親に押し付けるのはおかしくない？という内容だと

私は理解したのですが。

その記事の読者コメントに、タイトルからだと思うのですが、

「ニッセイのCMへの違和感をすごい感じる」というコメントの多かったこと。

やっぱり。。。

特に、私も含めて育児中の女性は、敏感にその違和感を感じてしまいますよね～。